飲食業界は短期退職が多い業界です。
今現在退職を考えている、もしくは退職を決めて次の職場を探している人もいるでしょう。
今回はそんな飲食業界内での転職を考えている方に向けた記事です。
料理人歴15年で、転職経験7回という視点からお伝えしていきます。
そこで今回は
- 退職意思の伝え方
- 次の職場探しの方法&注意点
この2つを解説していきます。
退職意思の伝え方
円満退社のためには理想は半年前
理由は様々なことがあると思いますが、ここではもう転職することは決めたという前提のお話しになります。
職場に退職の意思を伝えることは、特に経験の浅い若手料理人の方にはハードルが高いですね。
しっかりと務め上げ、次のステップアップとしての転職ならば話はスムーズです。
しかし多くの場合、今の職場が嫌で我慢できないから転職することを決めた人が多数派でしょう。
上司とあまり良い関係ではないケースも多いと思います。
「退職したいと思っています」
これがなかなか言えないものです。
労働基準法では退職に関する定義が無く、従業員の退職は民法で2週間前に退職の意思を申し出れば自由に辞められると定義されている。
しかし、飲食業界はとても狭い世界です。
どこで誰の耳に入るかわかりませんから、可能な限り円満に退職したいところです。
最低でも3ヶ月、できれば半年前に退職の意思を伝えるのが理想です。
ギリギリまで我慢せずに、心と時間に余裕があるうちに退職を決めて動き始めましょう。
話の切り出し方とタイミング
おすすめの話の切り出し方は、話す相手が時間に追われていない時(営業後など)に
「今後のことでご相談したいことがあるのですが、お時間あるときによろしいでしょうか?」
これです。
今後のことで相談ということで「辞めたいという話かな」とほぼ伝わります。
そして「お時間あるときに」が重要ポイント。
声を掛けるタイミングでは相手が話を聞ける時間があるのか無いのかわからない。今話していいですか?という姿勢ではなく、相手のタイミングに合わせる姿勢が大切。
シェフや店長はとにかく忙しいのです。想像以上に多くの仕事を抱えています。
いきなり「お話があるんですが、、、」では印象は良くありません。
もし1週間経って何もなければ、再度声をかけましょう。
すぐに話してスッキリしたい気持ちはわかりますが、ここは相手に合わせることで話がスムーズに進む可能性が高まります。
そして話す時はモジモジせずに、しっかりと自分の考えを伝えましょう。
相手がどのように受け止めるかはわかりません。
嫌味なことを言われる可能性もあります。
しかし、自分は出来ることをやるだけです。
筋は通っています。
3か月以上前に、しかも相手のタイミングに合わせてきちんと意思を伝えたのであれば何も遠慮することはない。申し訳ないなどと思わずに残りの日々を過ごし、キチンと仕事をこなして退職の時を待とう。
必要に応じて仕事の引き継ぎもしっかりと。
次の職場探しの方法&注意点
探し方は4パターンです。
- お目当ての職場のホームページやSNS
- 飲食専門の転職エージェント
- 飲食専門転職サイト
- 知人の紹介
それぞれの特徴とどんな人に向いているかを見ていきます。
お目当ての職場のホームページやSNS
若手料理人の方には、これが一番良い転職方法です。
もうすでに次に働きたい職場が決まっているケースです。
そのお目当ての職場のホームページやSNSなどで、今現在求人を出しているかをまずはチェックします。
人気店などは費用がかかる求人サイトなどには求人を出さなくても応募が来る可能性が高いため、自社サイトにしか求人が出ていないケースもあります。
まずはチェックしてみましょう。
その時点で求人が出ていなかったとしても、そこで働きたい意志が強いのならまずは連絡してみることをオススメします。
例えば、アイドルタイムなどの時間に
「お忙しい所申し訳ございません。料理人として働いている〇〇と申します。転職活動をしているのですが、一度そちらでお話しさせて頂くことは出来ますでしょうか?」
この文言で失礼にはなりません。
この段階では働きたい、とは言わない方がベターです。話も聞かずに判断できないですよね。
「実際に食事をして魅力的なお店だと感じたので、直接お話しが聞きたいと思いました」
という姿勢です。逆の立場で言われたら嬉しいですよね。
そしてこの時の電話対応もチェックします。
「ウチは今募集してないんだよね~」という素っ気ない対応の場合は、職場としてもイマイチな可能性が高いと思います。
断るにしても丁寧な対応をしてくれた場合は優良店でしょう。
社員教育がしっかりしている証拠です。
そしてもし話をしてもらえたら、優良店はそのような志の高い料理人に対してしっかりと向き合ってくれます。
- 今は無理だが、半年後なら是非来てほしい
- うちは募集していないが、知り合いのシェフが人を欲しがっていたよ
などと情報を教えてくれたりするケースも珍しくないです。
注意点として、良い印象を持っていたとしても実際に話したら感じが悪かったり労働条件が悪かったら「一度考えさせて下さい」と伝えてその場では決めないようにしましょう。
「なるべく早く決めたい」という気持ちは転職失敗の典型です。
焦らずにじっくり自分で納得出来る場所を探しましょう。
- お目当ての職場は一つでは無く、日頃から食べ歩きなどで複数ピックアップしておく。
- ネットの情報だけで判断せずに必ず食事に行って実際の料理とお店の雰囲気を確かめる。
料理人にとって食べ歩きは大切な自己投資です。
飲食専門の転職エージェントを使う
まだ経験の浅い料理人の方には求人サイトよりも転職エージェントの方がおすすめです。
飲食専門転職エージェントには飲食業界経験者の方も多く、第三者の意見としてとても参考になります。
- 将来の目標
- 具体的にどんな仕事がしたいか
- 給料や休日日数
- 一日の労働時間
- 社会保険の有無
これらをしっかりと自分の中で整理してから利用しましょう。
転職者は無料で利用できますが、転職エージェントは企業側から紹介料をもらうことで運営されています。
何も考えずに「とりあえず相談するか」という姿勢だと、エージェントの都合のいい職場を紹介されるリスクもあります。
逆にきちんと自分の考えをまとめた上での利用ならば大きな力になってくれます。
利用は完全無料なので是非検討してみましょう。
【飲食店特化の転職支援フーズラボ・エージェントbyCuolega】転職エージェント利用の際はしっかりと自分の希望や思いを伝えること。そこが曖昧だとエージェントに都合のいい求人を紹介されてしまう。あくまで自分が利用する立場だと認識して利用を検討する。
飲食専門の転職サイトで探す
若い料理人の方は、このパターンが一番多いのではないかと思います。
しかし、私の経験上一番転職の失敗確率が高いと感じています。
お金をかけて求人サイトに求人を出さないと応募が来ないということは、人が辞めやすいだけでなく集まりにくいなんらかの理由がある可能性が高い。
求人サイトを見ていると、「この店なんかいつも求人出してるな」ということに気付きます。
常に求人を出している店には近付かないのが無難です。必ず理由があるからです。
飲食専門求人サイトについては、こちらでも詳しく解説しています。
若い料理人の方は、出来るだけ日々の食べ歩きでお目当ての職場をピックアップする習慣をつけて欲しいと思います。
料理やサービスの勉強だけでなく、職場としてどうかな?という視点でも観察してみましょう。
知人の紹介
まだキャリアの短い料理人の方には可能性は低い方法だと思いますが、料理人の転職ではメジャーな方法です。
レベルの高い店ほど一般にはあまり求人は出さず、人づてで採用が決まるケースが多い。(特に部門シェフ以上の重要ポスト)
その人の実力がイメージしやすいからですね。
紹介してもらえるということは、信頼が積み重なっているということですので、まだキャリアが浅い方にはそもそも話が来るケースは少ないです。
しかし現職場での関係が良好なら、シェフや先輩から話があるかもしれません。
その場合も実際に食事に行くことが大切です。
出来れば覆面リサーチのように、身元を明かさずに行くのが理想です。
「今度面接する子が食べに来るよ」となったらいつもよりいい料理やサービスになる可能性が高く、実態がわからなくなってしまいます。
そして実際に面接で話をして「ちょっと合わなさそうだな」と思ったら遠慮なく断りましょう。
しかし、シェフや先輩の紹介を断るのはかなりの勇気が必要です。
こちらから紹介して下さいと言ったのなら尚更です。
なので若手料理人の方にはあまりオススメできないんですね。
まとめ
- 退職の意思を伝える時は、話す相手(シェフや店長)のタイミングに合わせてお互いの時間的&精神的余裕を持って伝える。
- 話の切り出し方は「今後のことでご相談したいことがあるのですが、お時間あるときによろしいでしょうか?」
【(経験が浅い若手の)料理人の転職方法】
- お目当ての職場をホームページやSNSでチェック
- 飲食専門転職エージェントの利用
- 飲食専門求人サイト
- 知人の紹介
1から順に利用を考えてみる。知人の紹介は場合によっては利用価値ありだが、断りにくいというデメリットもある。求人サイトのみの決め方は失敗確率高め。日頃からの食べ歩き&リサーチが重要。
これが今回の結論です。
ポイントは時間的&精神的に余裕を持ってやることです。
皆様の転職成功を祈っています。
コメント